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online communicationあれこれ

 ビデオ会議を使ったオンラインコミニュケーションがだいぶ浸透しつつありますが、メリットと出来ないことが分かれつつあります。大きなメリットは、移動時間なく、コミュニケーションが取れるようになったということでしょう。人によっては、情報を入手しやすく、コミュニケーションの機会が増えたと思います。
 
 その中で、コミュニケーションの質がどうか、という話になります。ある目的を持った一対一の打合せであれば、オンサイトとオンラインで取れるコミュニケーションに大きな違いはないように思います。ただ、対面で会った際に生じる、ダラダラと、あれもこれもというコミュニケーションは取りづらくなりました。 セミナー型ですと、そうした少数の間でのコミュニケーションはさらにとりづらいです。講義後や学会の合間に感想を言い合ったり、ちょろっと情報交換をするというコミニュケーションはなかなか生まれません。 コミュニケーションのチャンネルが一つしかないため、常に全員トークとなってしまうことが大きな原因かと思います。 そうした雑談が時間と空間を共有するメリットの一つだったのは間違いないですが、時間の共有だけですと、なかなかうまくいかないものです。そう思って、以前のブログで書いたように、以前のシンポジウムでは、雑談部屋を用意しました。共有の関心を持った4・5人が集まると、話題は尽きないので、ある目的”周辺”の会話をするという目的は達せられたと思います。
 
 対面でコミュニケーションができない分、テキストのコミュニケーションが重要となり、増えていっていると思いますが、テキストのコミュニケーションは予定調和的というか目的一直線というか、Aに対してBを返事するの繰り返しで基本的に構成されており、異なる話題は振りづらく、雑談の代用は難しいように思います。相手が返答に困っても嫌ですが、テキストだとそれは分かりません。会話であれば適当に話題を変えられるので、会話によるコミュニケーションのメリットは大きいです。
 
 あれも聞きたい、これも聞きたい、ついでにこれも、というコミュニケーションの取り方がやはり対面のいいところだと思います。用意していなくても、思いついたら、気軽にコミュニケーションがとれて、質問しやすいです。一方で、slackのような掲示板・テキスト型のコミュニケーションは、いつでも全員がアクセス可能な情報発信・やりとりをすることができる点、また蓄積されて残っていく点でメリットがあります。読む方も、いつでも時間があるときにアクセスできます。プロジェクトに共通しうるtipsのような類の情報は、全員に発信したほうがいい。でも、細切れなのでメーリスで流すほどではない(メールもどこにいったかわからなくなる)、といった情報は会話ではなく、テキストのやりとりにメリットがあるように思います。一方で、そもそもそうした情報をいかに共有するのかが課題になるのかなと思います。
 
 雑談的な会話が減ったので、新しい人と知り合い、仲良くなる機会は減ったかと思います。仕事ベース・プロジェクトベースであれば、必然的に密にやりとりすることになるので機会が生じますが、そういう目的がない場合は、なかなか難しいですね。
 
 計画的に事前から目的をもってとるコミュニケーション、唐突に思いつくコミュニケーション、後々使えるかもしれない情報、その場限りの情報など、様々な情報の種類がありますが、こうしたコミュニケーションの種類を意識しながら、Covid-19下でもうまくやりとりしていきたいなと思います。