時景の中へ.

中へ先へ進む.

Bilbao

空間が人を集める。そこに歴史は必ずしもない点で、パリともオランダとも異なるかもしれない。海に親しみ、川に親しみ、山を眺めて育ってきたことは確かだけれども、ゆるりとつながり、新しいランドマークが間をつなぐ。それによって、街を結び、人が歩く。

旧市街へつながり、山への道、スタジアムへの道に繋がる。ミュージアムの周りには子供が遊べる空間を作り、目を向ける橋で川を繋ぐ。


氾濫原を活用した空間は、緑を敷いたステップカーと、歩行者自転車のためのスペースをたっぷりととった形となり、週末には地元の人が、当然、観光客も集まってくる。

歩くことに親しんだ人たちのために、碁盤の目の都市の中に、斜線の主通りと、狭くしてバルが立ち並ぶ街路が散りばめられ、どこまでも歩ける空間になる。
真ん中をメトロが通っていることは人を歩かせるためかもしれない。逆にいうと川沿いはトラムがあっても歩きたくなるし、トラムの上からでも魅ることができる。

山の中の平地に集まって暮らす中で、住居は密集した。そのままの形を生かした旧市街は、より密で、より好まれる形として残っている。パーソナルスペースまで小さくなってしまった人たちだから。

もちろん、山の上や郊外には大きな集合住宅が並ぶわけであるが、緑の公園は残されている。それは、フットボールにもちろん限らないが、外で遊ぶ子供達のためのスペースなのかもしれない。飲んでる大人達の真ん中で玉を蹴り、絵を描く子供たち。そんな日常を愛してるのだろう。